中戸川研究室Nakatogawa Lab
スタッフ
中戸川仁 教授
持田啓佑 助教
オートファジーを支える分子基盤

オートファジーは私たちの細胞が備える主要な分解機構のひとつです。オートファジーでは、有害あるいは不要となったさまざまな細胞成分をオートファゴソームと呼ばれる脂質膜のふくろの中に隔離して、様々な分解酵素を含む液胞/リソソームに運んで分解します。細胞の中に小さな膜が突如として現れ、ギューッと伸びてパクッと閉じる。このとてもダイナミックで不思議なオートファゴソーム形成の仕組みを明らかにすることが私たちの主要な研究テーマのひとつです。
一方で、最近、細胞内の様々な成分がオートファジーで狙って分解されることがわかってきました。私たちは、核や小胞体といったたいへん重要な機能を担う細胞内器官がオートファジーで分解されることを世界に先駆けて発見し、その分子機構と生理的意義の解明にも取り組んでいます。

代表的論文
- Kotani T, Sakai Y, Kirisako H, Kakuta C, Kakuta S, Ohsumi Y, Nakatogawa H. A mechanism that ensures non-selective cytoplasm degradation by autophagy. Nat.Commun. 2023, 14, 5815.
- Mochida K, Oikawa Y, Kimura Y, Kirisako H, Hirano H, Ohsumi Y, Nakatogawa H. Receptor-mediated selective autophagy degrades the endoplasmic reticulum and the nucleus. Nature 2015, 522, 359-362.
- Nakatogawa H, Ichimura Y, Ohsumi Y. Atg8, a ubiquitin-like protein required for autophagosome formation, mediates membrane tethering and hemifusion. Cell 2007, 130, 165-178.